■地域に本当に働き手がいないのか?4「正規雇用と非正規雇用」
今回は、正規雇用と非正規雇用を考えてみましょう。
正規雇用(正社員)と非正規雇用(非正社員)の違いは、基本的に無期雇用か有期雇用の違いです。
一般的に、正規雇用は、フルタイムで働き会社の都合で人事異動や転勤などの成約がない正社員を呼ぶことが多いです。
もちろん、短時間正社員や、勤務地限定の正社員、職務限定の正社員も含まれますが、通常は成約のないいわゆる会社の指示命令系統下にある無期雇用の社員です。
無期雇用であることで、解雇されないということが前提となっており、安定性があるとされています。
正規雇用と違い、雇用に期間の定めがあり契約です。
一般的に契約社員、派遣社員、嘱託社員、パート(パート社員)、アルバイト(アルバイト社員)、非常勤職員(非常勤社員)、臨時職員(臨時社員)などがあります。
有期雇用なので、安定性がないとされています。
一般的に日本では、正規雇用と、非正規雇用に比べ給料が高めで賞与があり、福利厚生などの待遇もいいとされていて社会的信用も高いとされています。
世間のイメージ?
世界を見渡すと非正規雇用のほうが給与が高かったり、そもそも、正規非正規の区別も曖昧な国のほうが多いのです。
日本の経緯としては、高度経済成長期に囲い込みとして正規雇用が常態化しました。その補完として農閑期の農業従事者や主婦などが非正規として働き始めました。
しかし、バブルが弾けてコスト削減の一環で非正規雇用が増えてきました。これはコストを下げる目的と業績の雇用調整弁としての役割があります。なぜなら日本には、解雇規制があり簡単に正社員を解雇できないため非正規雇用を登用せざる得なかったのです。
高度経済成長期にも、同等の解雇規制はあったのですが、景気が上向きのときにはあまり問題にならなかったのです。
解雇規制:雇用主が労働者を自由に解雇することを制限する法的規則。 解雇を断行するには、客観的かつ合理的な理由が必要。 |
つまり、労働者を守るために作られた解雇規制が、景気の悪化及び停滞によって、企業の正社員としての雇用を躊躇させ、非正規雇用で賄うようになったのです。
そこで、正規雇用と非正規雇用が、不利益にならないように同一労働同一賃金が2020年4月から施行されます。もともとヨーロッパで広がった同一労働同一賃金は性別や人種などの差別を無くするために導入されたものですが、現在の日本に導入するということは、正規と非正規の区別が無くなってしまい、企業側としては、どちらで雇用しても一緒ということになりかねません。非正規雇用の賃金をあげるのではなく、会社を継続するために逆に正社員側の賃金を下げるケースも出てきています。
採用といい、雇用といい、定年といい、高度経済成長期から今日における現在の仕組み自体を見直す時期に来ているのではないのでしょうか?平井のコラムシリーズ
・新しい働き方を考える。 【連載中】
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